- 店主の独り言
皆さんこんにちは! 『楽しい飲酒生活案内人』の木名瀬 敦志です。
今日は、蔵元で出来上がったお酒が、皆様のお手元に届くまでに、
どのような過程を踏んでいくのか、お話ししたいと思います。
日本酒の出来立ては「本生原酒」です。
このような、ラベルがビンに貼ってあります。
液体と米の個体が混ざり合ってどろどろとした状態で、発酵して、ガスが発生しています。
そのままの状態を詰めたのが、「活性にごり酒」と呼ばれるものです。
米の甘味があり、シュワシュワとしています。
昔は運送も冷蔵技術も発達していなかったので、
このにごり酒は蔵元など、ごく一部の人しか味わえなかったのですが
今は、この出来立ての味を楽しむことができるようになりました。
ただし、このタイプの酒は、開栓する時は要注意です!
開栓する直前まで冷蔵し、決して振ったり、混ぜたりしてはいけません。
下に沈殿しているので、つい混ぜたくなってしまうのですが、
封を切った瞬間に自動的に混ざりますので、
とにかくそお~っと、ゆっくり、と噴出さないように、様子を見ながら開けます。
もし、温かくしたり、混ぜたりして、なんの注意も払わずに開けた日には、
部屋中、酒まみれになります(発泡事件発生!ご注意を)
当店では、活性にごり酒初心者の方には、
もしもの時に備えて『浴室』で開けることをおすすめしています(笑)
この活性にごり酒は発酵途中を瓶詰したもので、
そのまま発酵し終わった酒を詰めたものが、ガスの出ない『にごり酒』です。
そして、その上澄みを詰めた酒が「無濾過生原酒」または「おり酒」「おりがらみ」と言われるものです。
完全に濾過していないので、ふわふわっと白っぽいものが混ざっています。
この『ふわふわと白っぽい物』、立てておくと自然に下に沈殿する『白い物』を『おり』と呼びます。
活性にごり酒のように勢いよく吹き出すことはありませんが、
ふたを開けた時、シュッとガスが抜ける音がしたり、
プチプチとちょっと微発泡な感じです。
この「おり」が混ざっている方が味と香りが華やかになり、
私は蔵元さんにわざと「おり、多めに入れて!!」と、お願いする程、
「おり好き」なんです。
毎年、当店の分にだけ「おり」を入れてキナセオリジナルを造ってくださる蔵元さんもいて、
とても感謝しています。
毎年好評をいただいて、あっという間に完売してしまう、人気商品の一つです。
其の二へ、つづく・・・