店主の独り言

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2015.06.06
お酒の学校5時間目 『生酒とは?』 其の一

皆さんこんにちは! 『楽しい飲酒生活案内人』の木名瀬 敦志です。

今日は、蔵元で出来上がったお酒が、皆様のお手元に届くまでに、

どのような過程を踏んでいくのか、お話ししたいと思います。

日本酒の出来立ては「本生原酒」です。
このような、ラベルがビンに貼ってあります。

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液体と米の個体が混ざり合ってどろどろとした状態で、発酵して、ガスが発生しています。

そのままの状態を詰めたのが、「活性にごり酒」と呼ばれるものです。

米の甘味があり、シュワシュワとしています。

昔は運送も冷蔵技術も発達していなかったので、

このにごり酒は蔵元など、ごく一部の人しか味わえなかったのですが

今は、この出来立ての味を楽しむことができるようになりました。

ただし、このタイプの酒は、開栓する時は要注意です!

開栓する直前まで冷蔵し、決して振ったり、混ぜたりしてはいけません。

下に沈殿しているので、つい混ぜたくなってしまうのですが、

封を切った瞬間に自動的に混ざりますので、

とにかくそお~っと、ゆっくり、と噴出さないように、様子を見ながら開けます。

もし、温かくしたり、混ぜたりして、なんの注意も払わずに開けた日には、

部屋中、酒まみれになります(発泡事件発生!ご注意を)

当店では、活性にごり酒初心者の方には、

もしもの時に備えて『浴室』で開けることをおすすめしています(笑)

この活性にごり酒は発酵途中を瓶詰したもので、

そのまま発酵し終わった酒を詰めたものが、ガスの出ない『にごり酒』です。

そして、その上澄みを詰めた酒が「無濾過生原酒」または「おり酒」「おりがらみ」と言われるものです。

完全に濾過していないので、ふわふわっと白っぽいものが混ざっています。

この『ふわふわと白っぽい物』、立てておくと自然に下に沈殿する『白い物』を『おり』と呼びます。

活性にごり酒のように勢いよく吹き出すことはありませんが、

ふたを開けた時、シュッとガスが抜ける音がしたり、

プチプチとちょっと微発泡な感じです。

この「おり」が混ざっている方が味と香りが華やかになり、

私は蔵元さんにわざと「おり、多めに入れて!!」と、お願いする程、

「おり好き」なんです。

毎年、当店の分にだけ「おり」を入れてキナセオリジナルを造ってくださる蔵元さんもいて、

とても感謝しています。

毎年好評をいただいて、あっという間に完売してしまう、人気商品の一つです。

其の二へ、つづく・・・

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