- 店主の独り言
日本酒大好き!!な人を増やしたい!の続きを書きたいと思います。
季節は春から梅雨入り前の爽やかな季節ですが、日本酒の世界では早くも
『夏酒』と言われる季節のお酒が、各蔵元から続々と発売されています。
洋服と同じで、日本酒の季節感も年々前倒しの様相を醸し出しています。
ゴールデンウイークが明ければ、夏になり
お盆が終われば、秋の冷おろし、
本来、日本酒の日と言われていた、10月1日を過ぎたころには
早くも新酒の便りが聞こえてきます。
ファッションのように、季節先取りで楽しむと言うのもアリでしょうが、
個人的には、気候や気温を肌で感じながら、お酒は楽しみたいものです。
さて、本題に戻りますが、
日本酒は難しくなってしまった!と、お話ししましたが、
一体、何故、難しく感じてしまうのでしょうか?
私なりに考えてみると、
一つには、ラベルの表記が曖昧で、一見きちんと記載されているように見えていますが、
実は、それだけを見ても中身の味わいを推察することは非常に難しいのです。
酒屋を生業にしている私でも、大体の味わいは推察できても、果たしてそれが本当にあっているのかは
実際に飲んでみないと判断できません。
そのお酒が、どこのだれが、
どのようにして造り、
どんな味わいで、
どのような温度帯で、
どんな器で、
どんなお料理と、
どのくらいの消費期間で
飲めば、
美味しく飲めるのかと言ったようなことが、
全て、
把握できないままに、自分の判断(見た目、名前、価格)で
購入しないといけなのです。
店主の丁寧な説明を聞いてたとえ納得したとしても、
一升をいきなり買うなんて、ギャンブルのような行為だと思われても仕方ありません(^_^;)
私は、常々思うのですが、
当店にお越しくださり、身銭を切ってお酒を購入してくれる方には
本当に感謝しています。
ある意味、私の事を信頼して(笑)購入を決めて下さるのですから・・・
そのためにも、出来るだけハズレの無い商品をお勧めするように心がけています。
ドンピシャの好みのお酒をお勧めできれば良いのですが、それは難しいので、
少しでもご本人が気に入って頂ける許容範囲の物を選んでおります。
当店の、標語のように記載している言葉があります。
『最初の一口から、最後の一滴まで、美味しく楽しんでいただきたい』
この言葉のように、お客様がご自宅でお酒を楽しんでいただけるように
良いことも、悪いことも、出来る限りお話しさせていただいております。
話が長くなりすぎてしまう事もあるのがたまに傷なのですが・・・(^_^;)
たまぁ~に、スゴイ日本酒の数ですね!
とか、品ぞろえが立派ですね!
等の、過分なるお褒めの言葉を頂戴することもあるのですが、
他店舗との、相対的な評価を得るよりも、
ご来店下さった、目の前のたった一人のお客様をどれだけ喜ばせられるかと言った
絶対的な評価を得る方が圧倒的に難しく、
やりがいのあることだと考えています。
このような、日々のコツコツとした積み重ねが、
日本酒を好きになってくれる人を、一人でも多く作ることにつながるのだと
信じてやみません。
次回は、日本酒のある楽しい生活!と言う切り口から、考えてみたいと思います。