- 店主の独り言
皆さんこんにちは!! 楽しい飲酒生活案内人の木名瀬敦志です。
今や、日本酒は世界中に輸出されていて、海外の方がの評判もとっても良いと聞いています。
欧米では、ジャパニーズ・サケ!と呼ばれ、日本食人気と共に大変な盛り上がりを見せているそうです。
でも、私は、
『日本酒は、日本で味わうのが一番!』だと思うんですよ。
何が、一番かと言いますと、美味しく味わえるという事です。
では、何故そう思うのかと言いますと、
それは、ある海外からのお客様の言葉に思うところがあります。
先日、ご来店頂いましたお客様に、ヨーロッパからいらした方がいました。
そのお方は、日本酒に興味があり、母国でもよく愛飲しているとの事です、
ところが、今までは、そんなに、美味しい!と、思う事がなかったそうです。
当初は、日本酒に対してとっても興味があったのにもかかわらず、
そのイメージは、お酒の飲むごとに、価格が高くて、あまりおいしくない、
と言ったものに代わってしまいました。
日本には約900の酒蔵がありますが、輸出されている酒はそのほんの一部。
ごく限られた酒です。
しかも輸出するには、『生酒』はダメ等、様々な条件があり、
春夏秋冬、季節ごとに繊細に変化する酒本来の美味しさを伝えることは
結局のところ、輸出の酒には無理なのではと思います。
まあ、当然と言えば当然なのですが・・・。
それに、日本文化の中で生まれ育った日本酒は、長い年月をかけて、日本の味、
日本の料理、もっと言えば、日本各地の郷土の味に合うように造られてきました。
それを、『フランス料理に合う』『エスニック料理にも合う』と合わせても、
どこか無理があるのではないかと思うのです。
その方は、日本の友人を訪ねて来日したそうで、ある、居酒屋で飲んだ日本酒が
とってもおいしくて、その銘柄を探して、当店に足を運んでくださいました。
せっかくなので、今の旬の日本酒を数種類試飲していただくことにしました。
香りの華やかな物、味わいのしっかりとしたもの、軽やかな口当たりで甘味の残るもの、
とっても興味深く、真剣な面持ちで試飲する様は、お国は違えど、酒好きは同じですね~(^_^)v
結局、最初に探し求めていたものと合わせて、軽やかで後口に甘味の残るお酒の、2本を
お買い上げいただきました。
日本酒には、『生』の酒があり、季節によって、味わいも変化することも、ご紹介し
香りを引き立たせ、後口のキレの良い、本醸造タイプの大吟醸も試飲していただきました。
今まで、飲んだことのないタイプのお酒を味わっていただくことができ、喜んで下さったと思っています。
例えば、私たちが普段口にしているワイン、
美味しいとは思いながらも、この位の味わいと、勝手に判断しているかもしれません。
また、ある程度の値段を出さないと、美味しい物には出会えないと思っています!
でも、フランスの、とあるレストランで飲んだワインが、とっても美味しくて、実際に
地元で探してみたら、こんなに安くて、美味しいんだ!ってこともあるかもしれません。
そんなのは、当たり前だよ!
本場なんだからさ~!
そうなんですよ、本当に美味しい物に出会うには、その土地に言って飲むのが
一番いいのかもしれないという事です。
その土地ならではの料理を、その土地の空気を吸いながら、その土地の酒を飲む!
別に、海外に行けと言っているんではありませんが、日本のワインであれば、
山梨県にもありますし、芋焼酎を飲むのなら、鹿児島の料理が良く合います。
つまり、海外に行って日本酒を宣伝することも、とても大切なことですが、
本来の日本酒の良さを知ってもらうには、日本に来てもらって、
日本の四季折々の季節や旬の食材を楽しんでいただくことが、
最高の日本酒のイメージアップにつながると思うのであります。