- 店主の独り言
みなさんこんにちは!お酒の学校の2時間目です。
今日から、『日本酒』の事を数回に分けてお話しさせていただきます。
本日の担当は、『楽しい飲酒生活案内人』の木名瀬敦志が務めさせていただきます。
一口に日本酒と言っても、
大吟醸、純米吟醸、純米酒、本醸造酒、ニゴリ酒、初搾り
ひやおろし、山廃造り、雫どり、等々、様々な表記がされたお酒が溢れていています。
何となく分かるような気がしていても、
改めて
『純米吟醸酒って何? 吟醸酒と何が違うの?』、と
聞かれるとはっきりとは分からない。
これらの言葉が、
『日本酒は難しい!』
と印象付けてしまうのではないでしょうか・・・
では、何故このようにたくさんの用語が日本酒にはあるのでしょうか?
それは、その用語の組み合わせによって、お酒の造り方などを表しているからです。
ラベルの表記を見れば、いつ、どんな造り方をして、どんな味のタイプなのか、大まかにですが、推察することができます。用語が分かるようになれば、きっと、『日本酒は難しい!』なんて、思わなくなるでしょう!
ラベルはお酒の『履歴書』なんです。
用語についての詳しい説明は後日改めてするとして、まずは、簡単に用語の分類をご説明いたします。
原材料の違い(本醸造、純米)
原料米の種類(山田錦、美山錦、雄町、八反錦、出羽燦々、等)
お米の精米歩合(%)の違い(大吟醸、純米大吟醸、吟醸、純米吟醸、本醸造、純米)
お酒の製造方法(山廃造り、キモト造り、三段仕込み、等)
お酒の加工方法(活性にごり、雫とり、荒走り、生詰め酒、生貯造酒、等)
季節を表す言葉(新酒、初搾り、夏酒、ひやおろし、等)
一般的なお酒は、上記の言葉を組み合わせて、ラベルに表記されています。
こんなに様々な言葉あるなんて、今さらながらにびっくりです。
こんなに多くの言葉を覚えなくてはいけないなんて気が遠くなるようです。しかし、これからの話を読んでいただければ、そんな心配も吹き飛んでしまうのでご安心くださいね~!!
ここまで、大丈夫ですか?
みなさん、ついて来て下さいね~(^_^;)
それでは、日本酒のお話を始めたいと思います。
日本酒は、米の収穫が終わった10月頃から造りが始まり、12月初め頃から新酒が出荷され、翌年の4月頃にその年の造りが終了します。
日本酒は年間通していつでも売られているので、一年中造られていると思っている方が多いですが、基本的に日本酒は一年に一度だけ造られます。例外として大手のメーカー(大関、日本盛、など)では、四季醸造と言って、温度管理された工場のようなところで一年中造られています。
一年に一度しか造らないのに、どうして年間を通して売れるのか、不思議ですよね?
それは、この分のお酒は新酒の季節に生酒で、この分は火入れして春以降生詰めで、この分は熟成させて秋にと、最初に一年間の計画を立てて、季節に応じて出荷しているからです。
さて、お酒の原料はなんでしょうか?
米と米麹です。この二つだけで出来ているのが、純米酒です。(当然、水も使いますよ!)
お米が溶けてドロドロとした状態を酒粕と液体に分けて絞る時に、醸造アルコールを添加した酒を、本醸造酒と言います。
酒を絞る時に、香りが酒粕(固体)の方に行ってしまうのですが、醸造用アルコールを添加することで、香りが酒(液体)の方に残り、後口がすっきりとするのだそうです。
ですので、一般的に、純米酒は味がしっかりとした味わい中心。
本醸造はすっきりとした後口で香りが華やかな酒といわれています。
本醸造はアルコールを添加しているので、悪い酒だと思っている方がいらっしゃいますが、味わいの違いがあるだけで、どちらが良い、悪いはありません。
確かに、かなり昔はお酒の量を増やすために、出来上がったお酒に大量の水を入れたり、醸造用アルコールを沢山入れたりして、薄っぺらくなった味を補うために糖類(砂糖)や酸味料を加えた「三倍醸造酒・略して三造酒」と、言われる物が出回っていました。
しかし、現在の醸造アルコールは無味無臭で、最小限の量しか添加されないし、そもそも純米酒にだってアルコールがあるので、アルコールにアルコールを足してもその二つを見分けることは出来ないと言われています。(私も分かりません(@_@;))
純米酒か、本醸造酒かを見分けるには、瓶のラベルの表記を見て下さい。
原料が、米、米麹だけなら純米酒。
米、米麹、醸造アルコールなら本醸造酒。
そして、この二種類だけが、「清酒」と名乗れます。
米、米麹、醸造アルコール以外に、糖類、酸味料などの表記があるものは、清酒ではありません。
合成酒やリキュールなどです。(今は三造酒という分類はありません)
よく日本酒を飲むと頭が痛くなるという方がいますが、そういう方は本人は清酒を飲んだつもりでも、実は合成酒やリキュールを飲んでいる場合が多いと思います。それらは混ざり物の多い酒ですから。
以上が原料についての話でした。
次回は、精米についてお話しさせていただきます。
まだまだお話は続きます。