- 店主の独り言
皆さんこんにちは! 『楽しい飲酒生活案内人』の木名瀬 敦志です!
今日は、日本酒の四季、についてお話しいたします。
春夏秋冬、古来より日本人の心の中には、生まれながらにして四季の移ろいを
また、その季節感を楽しむ術も心得ております。
その様な、日本人の舌に慣れ親しんできた、
日本酒の世界ほど、
季節感を感じるお酒は世の中にはありません。
つまり、
『日本酒は季節を楽しめるお酒!』
なんです!
日本酒は、秋にお米を収穫することから始まり、春にその年の新酒が搾り上がります。
先日もお話ししましたが、そこからが、日本酒にとって最も大切な『貯蔵・熟成』の期間に
なるんです。つまり、出来立ての未熟なお酒を大切に見守りながら、完成度の高いお酒に
仕上げていくんですね(^O^)/
昔、冷蔵技術が発達していなかった頃、生酒を出荷することはなく、
火入れして、熟成させた酒が売られていました。
現在では、輸送技術と冷蔵設備の発達によって、一年間を通して、
様々な味わいのお酒を楽しむ事が出来るようになったのです!
お酒の季節の始まりは、『搾りたて新酒』です。
12月頃を皮切りに、4月上旬ころまで、グレードの違うお酒(生原酒が中心)が
順々に出来上がってきます。
次は、『夏酒』です!
6月上旬ごろから8月上旬位まで、アルコール度数の低い飲みやすい物や、
味わいの軽やかな物など、暑い夏でも爽やかに楽しめるお酒が
爽やかなラベルをまとって登場します。
そして、7月頃になると、
酒蔵では「初呑み切り」という行事が行われます。
蔵内に眠るお酒の熟成具合を、タンクごとに確認して、
今後の貯蔵方法などの方針を決めていく、とっても重要な作業なんですよ。
私も、何度か参加させていただきましたが、番号だけが付けられたお酒を、
ただひたすら味見していくんです。一見すると、とっても楽しそうな雰囲気なんですが、
その数は、蔵元にあるお酒すべてなので、実際の大変さは、皆様のご想像にお任せいたします。
そして、日本酒の総決算ともいうべき、完成されたお酒が出荷される季節を迎えます。
9月下旬位から11月中旬にかけて出荷されるものが『冷卸し』(ひやおろし)です。
春に「火入れ」されたお酒を、夏の間、冷暗所でゆっくりと熟成させ、
蔵の中の温度と外気温が同じくらいになった頃に、
冷えた状態で蔵から出荷される酒を「ひやおろし」と言います。
この「ひやおろし」こそが、酒の完成形、本当の味、完成されたお酒なんだと私は思います。
しかしながら最近では、このような季節を感じるお酒も、
年々、早め早めに市場に出まわるようになってきています。
11月の初めには、もう新酒が!
5月連休明けたら夏酒、
8月の真夏にひやおろし!
と、言った具合です(^_^;)
もう季節感もヘッタくれも、何もありませんねぇ~
皆さまには、是非、季節を感じてお酒を楽しんでいただきたいと思います。
季節を感じながら、旬の味覚とお酒を味わう事が出来るのも、
日本酒ならではの楽しみなんですから!
このように、一年を通して様々な楽しみ方が出来るのが日本酒なんです!
どうですか~、
日本酒の魅力!
感じて頂けましたでしょうか?
今宵、飲んでみたいぁ~!! と、思って頂けたら幸いです(^O^)/
以上で、日本酒編、ひとまず終了とさせていただきます。
次回からの「お酒の学校」は、「焼酎」の世界に突入いたします。
引き続き、よろしくお願いいたします。