店主の独り言

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2015.06.30
お酒の学校 18時間目 本格焼酎編 『貯蔵・熟成』

  • 店主の独り言

皆さんこんにちは!

茨城県水戸市で【選りすぐりの地酒】を扱う酒屋、リカーショップキナセの店主。

『楽しい飲酒生活案内人』の木名瀬 敦志です!

人間も年と共に角が取れて丸くなり、円熟味が出てきます!

私もすでに半世紀を生きてきて、円熟味と言うよりは

少々ガタがきているように感じる今日この頃です(^_^;)

本格焼酎の世界でも同じようなことが言われており、

最後の味わいの仕上げとして貯蔵・熟成が重要視されているんです。

『貯蔵・熟成によって生まれる味わいの極み!』


本格焼酎の味わいの中でも特に大切なことが、三つの『み(味)』と言われています。

それは、

「甘味・あまみ」

「旨味・うまみ」

「丸味・まるみ」

で、この三つの『味』を生み出すのが、貯蔵と熟成だと、言われてます。

「蒸留」したての本格焼酎の原酒は、味わいが荒らしく、臭みの元ともいわれる油分が多く含まれています。

それらを時間をかけてゆっくりと取り除いていきます。

その手間と時間こそが、本格焼酎ならではの「あまみ」、「うまみ」、「まるみ」を生み出していきます。

その様にして育まれた原酒は、本格焼酎を知り尽くした

熟練の醸造責任者やブレンダーの手によって、

調合、ブレンドされていきます。

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彼らは、常に変化する原酒の味わいを日々利き酒し、

その卓越した経験と感性をもとに、

原酒ごとの「貯蔵・熟成」の期間を決め、

品質を管理しています。

これだけ重要な役割を担っているのにもかかわらず、

表舞台に名前が出てこないのも不思議ですね~!

皆さん、控えめな方が多いのです。
(写真は、種子島の四元酒造様の醸造責任者です!)

「貯蔵・熟成」には主にステンレス製のタンクを使用します。

そのほかにも、甕壺、樫樽、等、様々な容器が使われています。

その容器によっても、お酒の味わいが変わって来るんですよ!

私が思うに、長期熟成には、麦、米、蕎麦、で造られた焼酎が向くと思います。

年数を重ねることで、アルコールの角が取れて、まろやかな味わいと旨味が増し、

深みのある芳醇な味わいを醸し出してくれます。

芋は、3年くらいが最良かと思います、長く熟成させすぎると、

角が取れ過ぎて、本来の味わいがなくなってしますので・・・

では、実際にどのような貯蔵・熟成された焼酎があるのでしょうか?


長崎県壱岐の島で造られている『無一物』と言う麦焼酎は、

シェリー酒の樽で5年貯蔵・熟成された琥珀色の本格麦焼酎です。

その味わいはまるでウヰスキーの様な芳香が楽しめます。

炭酸とレモンを加えると、より一層甘みが引き立てられます!
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同じく壱岐の島で、生まれる『天の川・しめのお』と言う、

麦焼酎は、ステンレスのタンクで1997年から約20年間もの間、

貯蔵・熟成させた正に、長期熟成焼酎の代表格です。

柔らかく、滑らかな味わいは、口の中を支配するかのような力強さを兼ね備えています。

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長野県の日本酒蔵から生まれた、米焼酎『帰山1976年』は、

こんなにも古い焼酎があったのか!と、驚く方もいることでしょう。

熟成の最後に樫樽を使う事で、ほのかな黄金色を演出しています。

40年近く前の焼酎が味わえるなんて、すごいことですよね(^_^;)

このように、卓越した醸造責任者やブレンダーがいることによって、

私たちは、

『貯蔵・熟成によって生まれる、味わいの極み!』

を、堪能することができるんです。

以上で、焼酎編は終了となります。

分かり難い所もあったかと思いますが、これを機に少しでも本格焼酎に興味を持っていただけたら幸いです。

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