- 店主の独り言
皆さんこんにちは!
茨城県水戸市の酒屋
【度胸で仕入れ、情熱で売る!】リカーショップキナセの店主
『楽しい飲酒生活案内人』の木名瀬敦志です!
大変ご無沙汰していましたが、いよいよ9月から日本酒の『ひやおろし』が蔵元より出荷されるに当たり、お酒の学校の日本酒編をお届けししようと思います。ところで、この『ひやおろし』というお酒、一体どんなお酒だかご存知でしょうか?今さら恥ずかしくて人に聞けないという貴方、ネットで調べてもよく分からない言葉出てきて、結局のところ何なのかよく分からない。ただでさえ、専門の業界用語が多い日本酒の世界、酒屋さんの中でも、ちゃんと分かっているのかどうなのか・・・。
前置きが長くなってしましたが、それでは、そもそも、『ひやおろし』とはなんなのか?と言ったところから始めたいと思います。「ひやおろし」とは、江戸の頃の昔、冬に造られ搾られたお酒が劣化しないよう、春先に火入れ(加熱殺菌)作業をした上で大桶に貯蔵し、ひと夏を超して外気と貯蔵庫の中の温度が同じくらいになった頃に、2度目の加熱殺菌をしないで『冷や』(貯蔵庫内の状態)のまま、大桶から樽(今は瓶ですが昔は樽で流通していました)に「卸(おろ)して」出荷したことから『冷卸し』と呼ばれ、秋の酒としてもてはやされていました。
この話からも分かるように、『ひやおろし』とは『冷や』と『卸し』の造語なんです。現代の言葉に置き換えてみますと、春先に搾ったお酒を加熱殺菌して蔵元の冷蔵庫内で貯蔵し、外気温が下がってきた頃に冷蔵庫から出して、そのままの冷えた状態で酒屋さんに届けるお酒のことを言います。ただ、ここで一つ疑問が浮かんできます。外気温が貯蔵庫と同じ温度になってから出荷していたと言いますが、一体何度なのでしょうか?昔は冷蔵庫など無かったので、蔵元内の貯蔵庫の温度が鍵となりますね!
このような事を考えていくと、昔のお酒は外気温が20度くらいの時期に出荷されていたように思います。温暖化もなく高層ビルもなかったので、今ほどは気温も高くなかったと思いますので、秋ごろにひやおろしが発売されていてもおかしくはありませんね!私も実際に詳しく調べた訳ではないのではっきりとしたことは言えませんが、タイムスクープ社に頼んで江戸時代の日本酒事情を調べてもらいたいくらいです。
話が長くなってしまいましたが、簡単にまとめると、現在私たちが目にする『ひやおろし』は、一度火入れした『生詰め酒』という事になります。そして、このお酒は蔵元においても冷蔵管理されていたものなので、私達酒屋でも『要冷蔵』扱いのお酒として、きちんと冷蔵庫内にて管理しなければいけないのです。次回は、現在のひやおろし事情にもうちょっと深く入り込んでみたいと思います。
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