店主の独り言

blog

2015.10.06
『ボージョレ・ヌーヴォーは祝いの酒』 お酒の学校38時間目 ワイン編

皆さんこんにちは!
茨城県水戸市の酒屋『度胸で仕入れ、情熱で売る!』
リカーショップキナセの店主
『楽しい飲酒生活案内人』の木名瀬敦志です!

10月になりにわかに『ボージョレ・ヌーヴォー』の話題が持ち上がってきましたが、はてさて、今年のヌーヴォーの出来はいかがなものでしょうか?このように、今年のワインの出来はどうなんだろうという事が話題になるお酒も珍しいのですが、それ以上に毎年紙面を飾るキャッチコピーの方も気になるところです。

画像

皆さんも一度は耳にしたことがるかもしれませんが『百年に一度の出来だ!』とか『50年に一度の当たり年だ!』『1950年以来の最高の出来栄えだ!』などと、このようなキャッチコピーばかりが先行してしまい、本来の『ボージョレ・ヌーヴォー』を飲む目的がどこかえ追いやられてしまったようですね。私の記憶が正しければ『ボージョレ・ヌーヴォー』が最も騒がれ出したのは1980年代後半のバブル期の頃かと思います。

その当時、私も酒類メーカーで働いていましたので、お祭り騒ぎのように『ボージョレ・ヌーヴォー』を扱っていました。解禁日の午前零時と同時に誰よりも早く飲むために、ワインの保税倉庫からスーパーカーで運ぶイベントなどもあったくらいに秋の一大イベントだったんですよ。確かその当時の販売価格は3500円くらいでしたので、今よりも相当高い物を浴びるように飲んでいたことになります(汗)

では、本来『ボージョレ・ヌーヴォー』とはどのようなワインなのでしょうか?簡単に言えば、フランスのボージョレ地区で生産される新酒(ヌーヴォー)です。フランスはご存知のように農業大国でして、ワインも農産物として国民から愛されています。その年に収穫されたブドウで造ったワインを飲んで、収穫のお祝いをしていたのです。ところが、1951年に軍隊への供給を確保するために、ワインの出荷を12月15日まで制限すると省令が出されたのを機にボジョレー生産者協会はボジョレーの新酒(ヌーヴォー)を、通常よりも早く販売したいと申請し「12月15日の解禁を待たずに今現在から販売することのできるワイン」つまり『ボージョレ・ヌーヴォー』と呼ばれるワインが正式に誕生したのです。

ボジョレー ヌーヴォーが世界で注目をされるようになった頃、ワインの売り手たちはいち早く出荷しようと競いはじめ、その結果、質の悪いワインが出回るようになったんです。なんか、日本酒の世界を見ているような・・・。そこで1967年フランス政府はワインの品質を下げないために解禁日を11月15日と定め、解禁されるまでは販売も飲むことも禁じたんですが、1985年にフランスのお国柄の事情から土日や祝日を避けた現在の「11月の第3木曜日午前0時」になったんです

日付変更線の関係上、日本では本場フランスよりも早く解禁日を迎える事と、日本人の初物好きが高じて、いまや世界でも有数の『ボージョレ・ヌーヴォー』消費国となったんです。今年の解禁日は11月19日午前零時です。収穫の秋、天の恵みに感謝しながら今年のワインを楽しみたいと思います。次回は、『ボージョレ・ヌーヴォーの楽しみ方』についてお話ししたいと思います。

お酒の最新入荷情報!
twitter.com/kinase_sake

フェイスブックもやってます!
www.facebook.com/kinasesaketen
楽しい飲酒生活の、明るい未来の為にワンクリックお願いします!
 ↓

人気ブログランキングへ

blog search

月別