店主の独り言

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2015.10.12
『酒造計画書なしでは始まらない』 お酒の学校43時間目、日本酒編

皆さんこんにちは!
茨城県水戸市の酒屋【度胸で仕入れ、情熱で売る!】
リカーショップキナセの店主
『楽しい飲酒生活案内人』の木名瀬敦志です!

このところ朝晩の冷え込みが強くなってきて紅葉の便りが山から聞こえてくるようになってきました。これからの時期は酒蔵にとっては猫の手も借りたいくらいに忙しく、すでに酒造りの始まっている所もあれば、これからの造りに向けての準備に追われている頃です。私も酒蔵にはよくお邪魔しますが、この造り始めの時期は蔵元もピリピリしておりご迷惑になってしまうので出来るだけお邪魔しないようにしています。

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前回は酒造年度についてお話ししましたが、新しい酒造年度に入って蔵元が酒造りを行う上でとても大事な作業が『酒造計画書』の作成なんです。建設会社が家を建てる際に作る設計図のようなものなんですが、酒蔵の場合は酒を造る設計図ではなく、今期に造るお酒の種類や量の計画を立てるんです。全部で100石造る計画を立てるとしたら、この位のお米が必要だとか、酒ビンの種類や本数、ラベル等の資材の数量や製造工程の段取りなどを決めるんです。

ちなみに、お酒の数量を表す単位として『石(こく)』という表現が良く使われますが、これは昔の年貢の石高からきていると言われています。加賀100万石の大名様!なんていいますよね。お酒の世界では、一石は一升瓶100本と言われていますので、一石は180Lという事になりますね。100石のお酒を造るとしたら、一升瓶で一万本分という事です。ちなみに、一升瓶10本分は一斗と言い、反対に一升瓶の10分の1は一合と言います。

このように数字の計算をしながら綿密な計画を立てているなんて想像がつかないでしょうが、どんぶり勘定でできるほどそんなに甘くはないという事ですね(^_^;)実際に蔵元にお邪魔したりすると、蔵のあちこちに数字が書き込まれているのを目にしますが、初めて見た方にはいったい何の数字なのかも分からないと思います。

日本酒造りは、長年の経験と勘が大切だと言いますが、その元になっているのがこれらのきちんとした設計書なんですよ。お酒造りは数学や科学だと言う方もいますが、そんなに難しい物ではないにしても、しっかりとした酒造計画が無ければ始まらないという事です。

何事をする上でも準備はとても大切なのですが、お酒造りの世界ほど事前準備が大切な所もありません。何せ、扱う相手は微生物なので思うようにはなかなかいきませんし、何が起こるかわからないので、出来る限りの準備をするんでしょうね!私も何かをする時には十二分な準備と思って行動しています。足らなくて困ることはあっても、やりすぎて困ることはありませんからね(笑)

ちなみに、写真の渡舟を作っている府中誉さんは今季販売分のお酒がほぼほぼ完売状態です。すでに今年の酒造りに向けて気合十分といったところです!

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