- 店主の独り言
皆さんこんにちは!
茨城県水戸市の酒屋【度胸で仕入れ、情熱で売る!】
リカーショップキナセの店主
『楽しい飲酒生活案内人』の木名瀬敦志です!
極寒の酒造りもいよいよ折り返しの時期を迎え、今月中には『甑倒し(こしきだおし)』と言って、お米を蒸す作業が終わりとなり、蔵元にとっては酒造りが一段落すると言われています。あとは、タンクの中のお酒が搾り上がれば今シーズンの酒造りが一通り終わるという事なんですが、蔵元自体の仕事がこれで終わりになるわけではありません。
搾り上がったお酒は、『火入れ』と言われる殺菌作業や『加水』『ビン詰め』等の工程を経て冷蔵庫に貯蔵されたり、出荷されたりします。それら一連の作業が終了する3月末から4月末頃をもって、蔵元にとっての酒造りのシーズンが終了します。そのことを日本酒業界では『皆造(かいぞう)』と言い、無事に酒造りが終わったことで、蔵ではお祝いが行われ、祝酒が振る舞われます。
日本酒という伝統に裏打ちされた業界ならではの様々な行事や専門用語が出てきましたが、一般には馴染みがないのでよく分からなくても仕方ありませんよね!以前、某TV番組でいろいろな職業の人たちが集まり、その職業の「ぶっちゃけ話」をするというものがありました。皆さんご覧になった事ありますか?いつかだったのかは忘れてしまいましたが、その番組にある日本酒の蔵元が出て、『実は、日本酒は水で薄めています』とぶっちゃけ話をしたそうです。
いやいやいや!「ぶっちゃける」も何も、それは当たり前の事なんですよ!と、つぶやいてしまいました(笑)「ぶっちゃける」と言うと、今まで秘密にしていた事を思い切って告白します!って、何となくマイナスなイメージがありますよね。そんなことはないのですよ。その番組を見た人は少なからず誤解をしてしまったんじゃないかと私は思いました。
本来、日本酒は米と水から造られていますので『日本酒を水で薄める』と言った意味をきちんと説明しないと誤解を受けてしまいます。以前お酒の学校の中で、日本酒が出来る過程を説明したかと思いますが覚えていますか?お酒を搾った(醪を液体と固体に分ける作業)状態の物を原酒と言い、その後、その原酒に『加水』 『火入れ』などの作業を行ってお酒が完成されます。
では、『加水』することは、良いことなのでしょうか?それとも、悪いことなのでしょうか?話が長くなってしまったので、今日はこの辺でお終いとさせていただきます。次回はその『加水』についてお話ししたいと思います。
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