店主の独り言

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2016.02.10
『加水は味わいの表現方法の一つなんです』

皆さんこんにちは!
茨城県水戸市の酒屋【度胸で仕入れ、情熱で売る!】
リカーショップキナセの店主
『楽しい飲酒生活案内人』の木名瀬敦志です!

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今年のバレンタインデーは日曜日という事で、もうすでにバレンタイン商戦が過熱しているようです。私の所は、そんな世間の賑わいとは無縁のように、いつも通りの落ち着いた感じです(笑)今日は、昨日のブログの話の続きをしたいと思いますので、もうしばらくお付き合いください。

『実は、日本酒は水で薄めています!』という言葉を聞いて、びっくりした方もいれば、それがどうしたの?と当たり前のように思われた方など反応は人それぞれですが、どうしてお酒を搾った後に水を加えるのかという事についてお話ししたいと思います。

日本酒は、米と水を使って造られます。お酒を醸造する時に使う水を『仕込み水』と言い、出来上がったお酒の味わいを調整する水を『割り水』と言います。両方とも同じ蔵元の水(水質)なのに使い方で呼び方が変わってしまうなんて面白いですよね!では、なぜ、出来上がったお酒に水(割り水)を加えるのでしょうか?

そこには、二つの理由が考えられます。一つは『量を増やすため!』で、出来あがった原酒に水を加えることによって、生産量を増やすことが出来ます。いわゆる、水増しってやつですが、お酒の場合、これは別に悪い意味ではありません。確かに戦時中はドンドン水を入れる割合が多くなって、金魚が泳いでも大丈夫なくらいに薄められたお酒が出回り『金魚酒』などと揶揄されていたそうですけど、今はそんなことは全然ありませんので、ご安心ください。

そしてもう一つが『度数を下げて飲みやすくするため』です。当然、原酒は度数が高いので、味と香りのインパクトがありますが、こういう度数の高いお酒は飲み疲れたり、食事しながら飲むのには合わなかったりします。お食事をしながら、ゆっくり飲みたい時などは、度数の低い、香りのあまり強くない酒の方が飲みやすかったりしますよね。

また、気温の高くなる夏は、日本酒はビールなどと比べて清涼感が劣るため、日本酒は敬遠されがちです。まして、度数の高い原酒ですと、尚の事、重く感じられてしまうので、度数を下げ、飲みやすくした物を昨今は「夏酒」として出すようになりました。

このように、お酒にはそれぞれ「味わい」の違いがあります。蔵元は自分が意図する味わいになるように、原酒に加水してお酒の味わいを決めていくのです。
つまり、現代の酒造りにおける『加水』というのは、『味わいの表現方法』なのです!

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