皆さんこんにちは！
茨城県水戸市の酒屋『度胸で仕入れ、情熱で売る！』
リカーショップキナセの店主
『楽しい飲酒生活案内人』の木名瀬敦志です！

地震の知らせを聞くと、ふと頭をよぎるのが同業である酒屋さんたちの事です。私達酒屋の扱っている物と言えば、その大半がお酒であって、しかも、専門性の高いお店になればなるほど、瓶に入った商品が多くなるので、必然的に割れる確率が高くなってしまいます。床に落ちても割れないような瓶があったらどんなに素晴らしいのだろう！と思ってしまうのは、私ばかりではないはずです。

では、地震の揺れからお酒を守ることはできないのでしょうか？絶対倒れないようにするという事は難しいかもしれませんが、被害を最小限度にすることはできます。それは、たった一本の紐を効果的に使う事で、劇的にお酒の瓶が倒れなくなるんです。私の所では２０１１年３月に起きた東日本大震災以降は幸いにも一本も割れずに済んでいます。

それは、お酒の瓶（一緒瓶）の上部から１０センチ位下の所に一本の紐を張るだけなんですが、何故、それだけでお酒の瓶が倒れなくなるのかという事は、地震の時にどのようにしてお酒の瓶が倒れてくるのかという事を考える必要があります。今回は、特に被害の大きかった日本酒冷蔵庫におけるお酒の倒れ方について、実際に私の所で起こったとこを例に挙げてご説明したいと思います。

冷蔵庫は扉が閉まっているので、仮に中のお酒が出てくるときは扉のガラスを破ってこないとお酒は出てこないと思っていました。しかし、実際には違っていたんです！目に見えない誰かが扉を開けたかのように突然開いて、冷蔵庫の奥から押し出されるようにゆっくりと崩れ落ちてきたんです。まるでドミノ倒しを見ているようで呆然と立ちすくしていたのを覚えています。

その時に、パッと、ひらめいたんです。酒瓶は揺れによって滑ってきて、最後は棚の前面のストッパーにつまずくようにして倒れるんだと・・・。で、あれば、瓶の上部の所に紐を張ればバランスを崩して倒れなくなると思いつきました。お客様が安全かつスムーズにお酒を取り出しやすいように考えたのが、瓶の上部１０センチの所にワイヤー入りのテグス糸を張ることだったんです。伸縮性と強度を兼ね備えたワイヤーテグスは、想像以上の働きをしてくれました。

やってしまえば、なんてことの無い事なんですが、たった一本のテグス糸でお酒の瓶が倒れるのを防ぐことができます。せっかく仕入れた大切なお酒が割れてしまうのは、経済的に辛いのですが、それ以上に造ってくれた蔵元様や楽しみにしていたお客様に大変申し訳なく思います。地震はいつどこで起きるか分かりません。出来ることをコツコツとやっていきたいと思っています！

追記：2016年5月18日

5月16日の夜に晩酌をしていたら、ケタタマシイ携帯電話の警報音が鳴ったと思ったら、大きな地震の揺れが襲ってきました。水戸は震度4から5弱という事でしたが、とっさに、あの時のことが頭をよぎり、とりあえず、テレビや食器棚の扉を抑えました。

すぐに、揺れ納まったので、もしやと思い！すぐに店の方を見に行ったところ、幸いにも、空の箱が床に落ちていたくらいで、大した被害はありませんでした。

ですが、もしやと思い、日本酒の冷蔵庫の中に目をやると、案の定、お酒の瓶が移動していました。

先日、ご紹介しました、『ワイヤーテグス』を施工していたおかげで、事なきを得たのです。

私のところでは、一升瓶の棚だけではなく、720ｍｌの四合瓶の棚にも、ワイヤーテグスを転倒防止のために着けています。そのため、一本も破損することなく、現在に至っています。

翌日は、全国のお取引のある蔵元様やお客様から、お見舞いのお電話を頂きまして、本当にありがとうございました。皆さんが、気にかけていただけているという事が感じられただけでも、とても幸せな気持ちになれました。

皆様も、お気をつけてお過ごしください。

『今の時期に酒屋がやるべきこととは？』
liquor-shop-kinase.co.jp/contents/2016/01/05/201601-article_5-html/

『お酒の学校を始めます』
liquor-shop-kinase.co.jp/contents/2015/05/25/201505-article_3-html/

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