店主の独り言

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2016.10.04
『天使の分け前!』

皆さんこんにちは!
茨城県水戸市の酒屋『度胸で仕入れ、情熱で売る!』
リカーショップキナセの店主
『楽しい飲酒生活案内人』の木名瀬敦志です!

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本日、10月4日は『10(テン)4(シ)」の語呂合せから『天使の日』と言われています!色々な記念日がありますが、『天使の日』は初めて耳にする記念日でしたが、皆さんはご存知でしたでしょうか?このような可愛らしい響きの記念日は、婦人下着メーカーのトリンプインターナショナルジャパンが2000(平成12)年に、同社の製品『天使のブラ』の1000万枚販売達成を記念して制定したそうです。

天使と言えば、私達酒屋業界には『天使の分け前』と言う言葉があります。これは、ウイスキーやブランデー、ワイン等が樽の中で熟成する過程の中で少しづつ蒸発して、減っていく部分を指した表現なんです。実際に、天使がやってきて樽の中のウイスキーを飲んでいたわけではありませんが(笑)、昔の職人たちは『天使に分け前を取らせて(飲ませて)いるからこそ、我々は美味しいウイスキーを手に入れることができたのだ』と考え、樽から減った分のウイスキーのことを『天使の分け前(Angels’ share)』と呼んでいたんだそうです。

ウイスキーが樽の中で熟成されている間には、一年間に2%から4%ほどが蒸発して失われると言われていています。つまり、10年間熟成させたものは全体の20%~30%が蒸発して無くなり、25年物ともなると最初の半分くらいになってしまいます。10年、20年と熟成年数を重ねるごとにウイスキーは味わいを増して行きますが、それとともに天使の分け前も増していく訳で、この事からも、長期熟成酒がいかに貴重かという事が分かると思います。つまり、熟成期間が長ければ長いほど、天使の分け前は多くなるので、これが熟成年数の長い酒が高価となる一因でもあります。

また、ウイスキーの熟成に使われる樽は、オーク材(楢や樫)と言われるもので、オーク樽で熟成されたウィスキーは、淡い黄金色とバニラやナッツのような香りが特長です。また、アメリカン・オークやヨーロピアン・オーク、ジャパニーズ・オーク(ミズナラ)等、産地によって風味に違いが出ると言われています。

様々な材質の樽を使い、長い時間をかけて出来上がったウイスキーは、琥珀色の芸術品と呼ぶにふさわしい芳醇な香りと旨味を湛えています。それにしても、『天使の分け前』とはロマンチックで、とても良くできた言葉ですね~。様々なウイスキーを味わってきた天使たちを見習って、今年の秋はウイスキーを楽しみたいと思います。

本日も、最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

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