店主の独り言

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2016.11.04
『日本酒の造り始めは何と呼ぶのか?』

皆さんこんにちは!
茨城県水戸市の酒屋『度胸で仕入れ、情熱で売る!』
リカーショップキナセの店主
『楽しい飲酒生活案内人』の木名瀬敦志です!

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11月に入り、日本酒の蔵元様からは、酒造りの始まりを告げる知らせが届き始めました。そこで、ふと考えたのですが、日本酒の世界では、『甑倒し』(こしきだおし)や『皆造』(かいぞう)などと言ったように、酒造りの終わりを告げる言葉は聞いたことがありますが、始まりを意味する言葉が思い当りません。

蔵元様との話しの中では、酒米が入荷した!とか、お米を洗い始めた!と、言ったような、作業工程の話はありますが、『この作業を持って、酒造りの開始』となる、明確な物が見当たりません・・・。そんな中、ある蔵元様との会話の中で、『初甑』(はつこしき)なる言葉を耳にしました!『甑倒し』は知っていましたが『初甑』は初めてです。

『初甑』とは、今年最初にお米を蒸す作業のことを指しています。日本酒の原料となる『酒米』は、『精米』された後に、『洗米』され、『甑』と呼ばれる大きな蒸し窯のようなもので蒸されて出来上がります。皆さんが普段食べているお米は、炊飯器で炊いて作りますが、お酒を造る際の酒米は蒸して造ります。おこわの作り方を思い浮かべて頂けると分かりやすいかと思います。

酒造りが始まって一番最初の酒米の蒸しの作業は、造り手にとって、とても緊張すると聞いています。久しぶりに使う甑の具合もさることながら、今年の酒米の状態を見極める、とても重要な作業なんです。収穫後すぐの状態で蒸し上がった酒米の状態を見て、今年の酒造りにおける様々な工程の状態を想像するんだそうです。

日本酒用の酒米を蒸す時には、『外硬、内軟が良いんです』と聞いたことがあります。その言葉通りに、蒸し上がったお米の外側が硬く、内側が軟らかく出来上がることを意味しています。そのようにして、蒸し上がった酒米をお餅のように練って触感を確認したりすることを『ひねりもち』と呼びます。私も、酒造りの期間中、蔵元に伺った際、運よく蒸米に出くわし、この『ひねりもち』をいただいたことがあります!

毎年変わる、お米の状態や、気候環境を見極めて、その時々に対応していく造り手さんたちの発想力や卓越した技術力には、本当にびっくりさせられることばかりです。常に新しいことに挑戦し、少しでも美味しい物を目指して行こうとする『杜氏さんの感ピューター』を超えるのは、コンピューターや機械技術が進歩した今の世の中でも難しそうです!

本日も、最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

『酒屋が酒を飲む理由』
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『お酒の学校を始めます』
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