- 店主の独り言
皆さんこんにちは!
茨城県水戸市の酒屋『度胸で仕入れ、情熱で売る!』
リカーショップキナセの店主
『楽しい飲酒生活案内人』の木名瀬敦志です!
8月最後の日曜日となる今日は、久々に爽やかな晴れ間が広がり絶好の行楽日和となりましたが、私はお盆休みから引き続き、倉庫の片付けや自宅の整理、県知事選挙などに追われています。併せて、これから入荷してくる秋のお酒に備えて、店の中も模様替えを行わなくてはなりません・・・。
先日のブログで、最後の夏酒を楽しみませんか~!と言う話をしたところ、嬉しいことに、たくさんの方にご来店いただき、次々と残り少ない夏酒をお買い上げ頂いてます。中には、『最後の一本』ばかりをまとめて選ばれる方もいて、酒屋としては涙が出るくらいにありがたく思っています。その反面、更に冷蔵庫の中がスカスカになってしまい、かなり寂しい状態になっています!
そこで気を利かせたみどりさんが、冷蔵庫のガラス扉に一枚の張り紙をしました。日本酒の在庫が少なくて申し訳ないという気持ちと、これから秋のお酒が入荷してくるのでもうしばらくお待ちください!という内容の物です。それを見たお客様からは、『秋のお酒って、ひやおろしのことですか?』とか、『ひやおろし、って、どういう意味なの?』などと、秋の『ひやおろし』に対して興味を持っていただけるようになりました。そこで今日は、『ひやおろし』が出てくる前のおさらいと、今時の『ひやおろし』事情についてお話ししたいと思います。
『ひやおろし』とは、春に搾ったお酒を一度だけ熱処理(火入れ)してから蔵元内にて貯蔵・熟成し、外気温と蔵元内の温度が同じくらいになった頃(秋の涼しい頃)に出荷されるお酒のことを言います。『ひや』=『冷や』、『おろし』=『卸し』つまりお酒が冷えた状態で卸される(出荷される)からひやおろしです。他にも『おろす』=『下げる』イメージを嫌って、『秋あがり』と言うところもありますが、『秋』という季節の言葉を入れると販売時期が限定されるために嫌がる蔵元や販売店もあるようです。
最近では、季節感先取りの傾向と輸送技術の発達により、その出荷時期は年々早くなってきたり、『ひやおろし』とは、なんぞや・・・、と思えるような様々なことが見受けられるようになってきました。真夏に発売される『ひやおろし』しかり、他社との差別化を意識して、一度も火入れしていない『本生』タイプの物を造ったり、冷蔵管理ができない販売店の為に『二度火入れ』したものまで出回るようになっています。
『ひやおろし』の厳密な定義があるわけではないので、ある意味自由ですが、日本酒を愛飲してくださるお客様のためにも、販売店や蔵元など日本酒業界のモラルが大切だと、お客様に『ひやおろし』の説明をしていて感じる今日この頃です。
本日も、最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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