店主の独り言

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2018.01.22
『おりがらみとにごり酒の違いは何ですか?』

  • 店主の独り言

皆さんこんにちは!
茨城県水戸市の酒屋『度胸で仕入れ、情熱で売る!』
リカーショップキナセの店主
『楽しい飲酒生活案内人』の木名瀬敦志です!

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午後から降り出した雪が日陰のところを中心に積もり始めています。雪による交通機関のマヒなどを考えると厄介な代物ですが、あまり目にすることのない積もった雪に『雪見酒』と洒落込んでみるのも一興かと思います!

雪を見てはしゃぐのは、犬か私ぐらいだろうと思っていたら、『雪見酒』用にとお酒を買い求める方がいて、驚いています(笑)こんな時に味わうお酒と言ったら、真っ白な雪をイメージする『にごり酒』や『おりがらみ』等のお酒が粋な感じがしていいですね~!

そこで今日は、毎年この時期になると決まってお問い合わせの多くなる『にごり酒とおりがらみの違い』について、お話ししたいと思います。今の季節に蔵元さんから出荷されてくるお酒は勿論搾りたて新酒の本生酒です!そのお酒を、よぉ~く目を凝らしてみてみると、若干ではありますが、うっすらと白く霞がかったようになっています。商品によってその白さの度合いは違いますが、それらを総称して『にごり酒』と思っている方が意外と多いんです。

実は、同じように白く濁って見えるお酒でも、ビンに詰めるタイミングによって『にごり酒』と『おりがらみ』の二つに大きく分類することができるんです。私たち酒屋の間では明確に違うこの二つのお酒ですが、製造方法や味わいにはどのような違いがあるのか簡単にお話ししたいと思います。

お酒は発酵が終わった後に固体(酒粕)と液体に分けられ、その後に濾過されるのですが、にごり酒はその濾過をする前に瓶詰められます。その際に、にごった部分が多いと瓶に詰められてからも活性してお酒の栓を開けた時に吹き出したりします。にごり部分の甘さとプチプチとした清涼感が、『にごり酒』の最大の魅力ともいえます。

その後、搾ったお酒は濾過されますが、完全に透明な液体になることはなくうっすらと霞がかかっています。その白く見えるものが『澱(おり)』というもので、蔵元ではその澱が自然と沈殿するのを待って上澄みだけを汲み取ります。しかし、澱が沈殿するのに時間がかかるために、今の時期はそのままの状態でビン詰めされます。それが『おりがらみ』というお酒です。

まとめますと、にごり酒の白い部分は本来分けるべき部分を一緒にビン詰めしたものです。一方、おりがらみは、搾り上がった状態のもので、敢えて、このおりが入ることで若く堅い新酒の香りが華やかになり、味わいにふくらみをもたらしてくれます。舌触りもサラサラとして、にごり酒とは全く違います。 とかく、おりは悪者のように思われがちですが、私にとっては香りと旨味のエッセンスのようなもので、この時期にはなくてなならない大切な存在なんです!

写真のお酒は

富久心・純米吟醸『おりがらみ』 1.8L 3600円(税抜)

今年の物は、昨年よりも『おりの量』が多くなっています(笑)

一升瓶換算で54本限定

本日も、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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