店主の独り言

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2015.06.04
お酒の学校4時間目 『お米の精米について』 後編

皆さん、こんにちは!『楽しい飲酒生活案内人』の木名瀬 敦志です!

今日は、

『お酒の学校4時間目』

お米の精米について 後編

です。

前回の前編では、タンパク質だ! アミノ酸だ! 玄米? 旨味成分?

大吟醸が50%、吟醸が60% などなど 何やら小難しい言葉や数字が出てきて

その上、文章が長くて、途中で読み疲れてしまった方もいっしゃったのではないでしょうか? 

大変お疲れ様でした。

ですが!今日もガンガン行きますので、くじけずについて来て下さい。

あっ、でも今日は少し砕けたお話しをしようと思いますので、

ちょっと頭を休める気分で気楽に読んでください。(笑)

前回、どこまで精米すればよいのか?というお話をしました。

それぞれのお米の性質に合わせた精米歩合と言うものがあり、

どんどん削ればいいってもんじゃない、と。

実は、当店には精米歩合22%という純米大吟醸があります。

愛知県の山崎合資会社さんの純米大吟醸『奥・二割二分』です。

これは、お米の外側を78%削って取り除き、中心のわずか22%
(ビーズ玉のように真ん丸ですよ!)だけを使って造られた、
超贅沢なお酒です。

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普通、ここまでお米を精米してしまうと、淡白な味わいのお酒になりがちですが、

この奥・二割二分はお米の力強いコクと旨味を残していて、ホルモン焼きのような

味の濃い料理にも負けません。

画像

酒米は『夢山水』と言い、愛知県で栽培されている幻の酒米と言われています。

酒米の力と蔵元の技量が合わさる事で、このような素晴らしいお酒が造られます。

『精米のし過ぎは資源の無駄遣い』と私は言いましたが、

すべての高精米の酒を無駄と言っているわけではありませんので、ご理解くださいね。

ちなみに、前編の分類の中にある、特別純米・特別本醸造の「特別」は、
蔵元が自由に付ける事が出来るんだそうです(笑)

厳密に言えば、細かい規則があるようですが・・・

例えば、特別な米で造ったから、特別な造り方をしたから、などなど、
蔵元が特別と思える何かがあれば・・・です。

店頭で、『特別』と表記されたお酒を見かけられましたら、
このお酒の『特別』は何なのかな~と

考えるみるのも面白いですね。

もうひとつ、ちなみに、

50%以上精米すれば、大吟醸(純米大吟醸)と表記できるので、

一口に大吟醸と言っても、50%精米の物もあれば、40%、30%、22%、と

大吟醸(純米大吟醸)もピンキリなんですよ。

大吟醸(純米大吟)を購入の際には、ラベルの精米歩合をチェックしてみてください。

『あ~!これ大吟醸なのにすごく安い。お買い得~!!』

なぁ~んて、価格に惑わされてはいけませんよ~(@_@;)

また、ラベルの表記は精米歩合にかかわらず、蔵元が自由に決めることができます。

50%の精米歩合であれば、純米大吟醸(大吟醸)の表示もできるのですが、

あえて純米吟醸(吟醸)や純米酒(本醸造)と付けている物もありますし、

60%でも純米酒(本醸造)と表記している酒は沢山あります。
(ただし、精米歩合の低い物を高く表記することはできません)

ではなぜ、50%も精米しているのに、「大○○」と表記しないのか、不思議ですよね?

ラベルに大吟醸(純米大吟醸)と書いてある酒しか買わない!

とか、
大吟醸(純米大吟醸)と書いてある酒しか喜ばない!

と言う人は大勢いますよね。

だったら、「大」と付ければ、もっと売れるのにって思います。

以前、ある蔵元のご主人に聞いたことがあるのですが、

蔵元にとって、「大」がつく酒というは、その蔵の「一番」の酒という意味なんだそうです。

一番は文字通り、蔵を代表する最高ランクのお酒を指します。

ですので、精米歩合上、大吟醸(純米大吟醸)表示ができるとしても、

蔵元が納得する酒にしか「大○○」のラベルはつけないんだ、そうです。

一方で大吟醸を乱発している蔵も沢山ありますけどね(笑)

どことは言えませんが(^_^;)

蔵元によって、いろいろな考え方がありますね・・・

今日のお話し、いかがだったでしょうか? やっぱり今日も長話になってしまいました。

次回は、日本酒の『生酒って何?』について、お話しいたします。

ガンガンいきますよ~(^_^)v

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