店主の独り言

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2015.06.08
お酒の学校6時間目 『生酒とは?』 其の二

皆さんこんにちは! 『楽しい飲酒生活案内人』の木名瀬 敦志です。

本日は、前回に引き続いて、

お酒の学校 6時間目 『生酒とは?』 其の二

です(^O^)

前回までは、無濾過のお酒についてお話してきましたが、
ここまでご紹介してきたお酒は、全て生の状態です。

本日は、その続きについてお話ししたいと思います。

搾り上がった日本酒を、完全に濾過して透明な状態の酒が「生原酒」です。

一般的に、純米酒の生原酒はアルコール度数が15~16度。

中には、18度から19度くらいまで高くなるものもあります。

(醸造アルコールを添加する本醸造酒ですと、19~20度ほどです)。

12月から3月くらいまで、新酒生原酒として商品化されます。

生原酒に水を加えて、度数を落とした酒を生酒(原酒が付きません)と呼びます。

また、最近の流行として、低アルコール原酒が色々な蔵元から出されています。

当店にも今年は『12度原酒』の酒が入荷しています。

神奈川県の大矢孝酒造さんの残草蓬莱12度原酒(クイィーン)です。
画像

通常度数の低い酒を造る場合は、原酒に水を加えて度数を下げるのですが、
低アルコール原酒の場合、低い度数で完全に発酵を終わらせなくてはならないので、
蔵元の高い技術が必要とされます。

この残草蓬莱12度原酒(クイィーン)は度数は低いのですが、

水を加えていないので、味が薄っぺらくなく、しっかりとした味わいを持ちつつ、

ちょっと甘口に仕上げてあるので、とても飲みやすく、

普段日本酒を飲まない、もしくは日本酒初心者の方に、おすすめしています 。

(ただし巷に出回っている低アルコール原酒の中には、日にちの経過と共に、
酒質が変化してしまう酒も多多見受けられ、いかに造るのが難しいのか
という事の証明にもなりますね)

日本酒造りにおいて、酒造り初めの頃は「大吟醸」などの高いお酒は造らないで、

肩慣らしということで価格の安い酒(普通酒など)から造り始めます。

そして順番に、本醸造、吟醸、大吟醸、(純米、純米吟醸、純米大吟醸)と造りますので

最後の大吟醸(純米大吟醸)が搾り上がるのが、大体3月の終わりころと言われています。

その間、それぞれの酒の

「にごり」や「無濾過」「生原酒」が出ます。

ここまで、日本酒の『生酒』という事について、お話ししてきましたが、

大きく分けると、

『生』の文字が入るもの(『生生』一度も熱処理をしていないものと、『生詰』『生貯』一回だけ熱処理をしている物)

『生』の文字が入らないもの(二回以上の熱処理をしている物)

になります。

火入れ(加熱処理)についての説明は、後日行いますが、

加熱処理を行う、タイミングに関しましては、下記の図をご参照ください!

画像

ここまで延々と、生のお酒について、ご説明してきましたが、

実は・・・

「生」の酒は、蔵元に言わせると、

「未完成品」なんだそうです。

造りたての生酒の方が美味しい! 

新酒生酒の方が新鮮でいい!

と思っている方が多いですが、

生酒は、生酒の良さはありますが、品質が変わりやすいですし、

日本酒の本当の美味しさは

火入れして熟成させたものだと私は思っています。

日本酒の世界は、奥深いですね~(^_^;)

次回は、『加水』 について、お話ししたいと思います。

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